最近、違和感を感じるんです

第十三章:屋根裏の生活痕

翌朝、ほとんど眠れないまま、約束していた時間に、警察署へと向かった。昨日の電話で対応してくれた警察官が、すでに、待っていてくれた。

スマホの映像を、その場で見せた。画面を覗き込んだ警察官の表情が、次第に、険しくなっていくのが分かった。

「これは……すぐに、現場を確認する必要がありますね」

その日のうちに、複数の警察官と一緒に、部屋に戻ることになった。自分の足で、あの部屋の玄関をくぐるのは、恐ろしかったけれど、立ち会わなければ、話が進まない。警察官たちに囲まれているという事実だけが、かろうじて、足を前に進ませてくれた。

クローゼットの扉が、慎重に開けられ、天井の点検口へと、懐中電灯の光が、向けられた。以前、不動産会社の業者が確認したときとは違い、今度は、もっと奥まで、本格的に、調べが進められた。

点検口の奥、配管の隙間をすり抜けた先に、これまで、誰も気づかなかった、隠されたスペースがあった。大人が一人、体を折りたたんで、なんとか、横になれるくらいの、狭い空間。断熱材が、周囲を覆っていて、外からの音を、ある程度、遮断できる作りになっていたらしい。

そこに、古びた寝袋が一つ、敷かれていた。周りには、コンビニのおにぎりの包装や、カップ麺の容器が、いくつも、積み重なっている。饐えた臭いが、点検口から、ゆっくりと、漏れ出してきた。あの日、部屋の中で感じた、あの異質な匂いの正体は、これだったのだと、ようやく、理解した。

寝袋のそばに、小さな、使い古されたノートが一冊、置かれていた。警察官が、手袋をはめた手で、そっと、それを取り上げた。

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